訪日観光客へのマーケティング機会

Posted By Nathan Hoernig

日本の観光業界および観光関連企業は、過去に例を見ない追い風と、市場の拡大を経験しています。地域おける積極的な経済政策、国際的なイベントの数々が、日本の旅行・観光業界に新たなビジネスチャンスをもたらしています。

要点をお話しましょう。もし貴社が、日本において、ホテル、航空会社、旅館、レストラン、オンライン・トラベルエージェント、店舗経営型旅行代理店などの観光に関連したビジネスをしている場合、今、市場に対して適切なアクションを起こさなければ、もう二度と同じ波を捕まえることはできません。

背景:

日本における海外向けインバウンド観光業の衰退(2008~2012年)

graph-decline-of-tourism-japan

他の多くの業界と同じように、日本の観光業は、世界規模で起こる経済的および社会的事象からの影響を大きく受け、揺れ動きました。日本政府観光局(JNTO)の統計を参照すると、日本の観光業低迷の裏にある二つの大きな要因を見て取る事ができます。

2008年の秋:リーマンショック

リーマンブラザーズ(リーマンショック)の経営破綻に端を発し、同時期の海外から日本への訪問者数は15〜20%の減少、そして2009年の2月には前年比50.7%まで落ち込みました。
つまり、リーマンショックの影響による金融危機が原因で発生した円高が、日本での観光を高価にし、外国人観光客の足を日本から遠ざける要因となったのです。

2009年は、日本の観光業界にとっては不作の一年でした。しかし、驚くべきことに、2010年には日本円の高騰にもかかわらず、多くの訪日外国客の増加が見られました。

そして、東日本大震災が起きます。

2011年の春:東日本大震災

「あなたはどこにいましたか?」災害発生時に誰もが尋ねる質問です。ケネディ、チャレンジャー号爆発事故、9/11テロ、そして2011年3月11日-東日本大震災-日本でも不幸な災害が起きてしまいました。
永遠のような2分30秒間。壁が波打つ中、私は以前務めていた会社のオフィスで、ドアフレームにしがみ付いていました。それは、経験した者にとっては簡単に忘れることのできない瞬間です。

震災後三ヶ月の間に、日本への観光客の数が、2月の500,000人から190,730人(3月)、108,820人(4月)、183,799人(5月)と推移しました。これは、統計により弾き出された見込み増加分のおよそ三分の一の値です。

2010年と比較すると、2011年の観光客数は36.2%の減少を見せました。

2013年以降の観光業、海外からの訪日観光客の勢い

tourism travel growth in japan 2008 to 2015

ところが2011年に訪日観光客数の大幅な落ち込みがあったものの、2012年に回復の兆しが見え始めました。2013年には、日本への観光に大きな活気が戻り、これが今日まで持続しています。これには幾つかのきっかけがありました。

アベノミックス

2012年後半、安倍晋三首相は、落ち込んだ日本経済の改善を目指し、大胆な金融政策の修正を掲げ、新内閣を発足させました。事前に掲げられた「3本の矢」と名付けられた、経済政策の積極的な実施により、円高に歯止めがかかり、外国からの観光客にとっての日本における“旅行のし易さ”が大幅に向上しました。

これは予想以上の効果を発揮しました。

明らかに、政府はインフレでもなく、デフレでもない経済の実現を目指していました。しかし、円安は進行し続けています。今日では、1アメリカドル=約120円が相場となっています。これは、過度な円高から通常の為替単価へ戻り、“安いとも取れる価格”にまで落ち込んだ事を意味しています。実際、私たちがこれらの数字を最後に目にした瞬間は、8年前の2007年の秋頃でした。

ほとんどの観光地が“福島原発事故の影響を受けていない”という事実への理解が深まり、放射線への恐怖感が薄れる中で、外国人向け観光業における再興の準備が整い始めました。

そしてもう一つ、忘れてはならない要素が・・・

アジア地域における巨大な経済成長

2014年、アジアからの訪日外国人客数は、ヨーロッパ並びにアメリカからの旅行者数と比較して、11:1という割合で圧倒的な多さとなりました。地理的な近さは、明らかにアジアからの訪日旅行客を増加させる主要な部分ではありますが、考慮すべき他の点は、アジア諸国の経済成長と、成長を続ける「諸国民の富」(未だにこの言葉は健在でしょうか)です。

多くのアジア諸国の経済成長は活況を呈しています。中国、フィリピン、タイ、台湾、ベトナムなどの国民は、収入の増加および地元インフラの改良を通じて、世界旅行を身近なものにする充分なGDPの成長を遂げただけではなく、彼らは、低コストで日本へ観光旅行することができるという地理的優位性をも享受しています。

ここ日本でのビザの制限緩和や、一定の貿易/輸入規制緩和に加え、私たちの国には、購買力の限定される周辺国の人々に対する高い訴求力を持っています。

2014年のGDP成長率:
ミャンマー:8.5%
中国:7.4%
フィリピン:6.2%
マレーシア:5.9%
ベトナム:5.5%
インドネシア:5.2%

香港、シンガポール、タイ、台湾などの、すでに強力な繋がりが構築された国々からの観光に加え、他にも観光およびビジネスの両輪において積極的に日本進出を臨む国々が存在しています。それは日本の観光関連企業にとって大きなビジネスチャンスの到来を意味しています。

さらに一歩先に話を進めましょう。安倍内閣下の経済刺激策を介して高まる、“日本への訪れやすさ”を鑑みると、アジア圏の旅行者は現在の割合を維持するどころか、むしろ、急激に増加すると考えられます。

近い将来、円の価格が「正常」レベルに戻ったとしても、日本の地域経済におけるこれらの巨大な潮流に後押しされ、きっとアジアの各国がこの先何年もの間、日本観光市場の成長を牽引する重要なファクターであり続けることでしょう。

データで見る現代日本の観光業

tourist, traveller in Japan's shopping area

2013年の日本への観光客の流入は、2012年比124.0%と堅実な上昇を見せました。

そして、2014年の後半には月間訪日外国人客数は120万人前後で推移し(前年比129.4%)、2014年トータルで約1340万人(正確には13,413,467人)に到達しています。

そして2015年、今私たちが見ている結果はどうでしょうか?

2015年に入ってからの月間訪日外国人数は(2014年の数値を考慮すると)、予想に反して停滞気味となっており、第一四半期(1月~3月)トータル約370万人が見込まれています。※この記事を書いている時点で、1月と2月の観光客の数は、約260万となっています。

JNTOによる3月の予測に基づくと、3月の訪日外国人数はトータル153万人 — 四半期トータルでは約410万人の観光客が見込まれます。既に好調である2014年を基準に考えても43.7%増と脅威の成長率です。

日本の外国人向け観光業の未来

japan tourism stats including forecast for 2020

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2015年

前述した近年の経済面での状況の変化、およびその他の要因により、四半期の訪日観光客の数値トレンドを結論付けるまでには至りませんでした。しかし、先の数値から、対四半期の成長率を5%(保守的にみて)と仮定すると、四半期毎におよそ20万人の増加、そして2015年には最低でも約1,780万人の観光客数が見込まれます。

また、この予測が非常に保守的な仮定のもと弾き出されている事から、この数値を遥かに超える結果が出てもおかしくはないと考えています。

しかし、日本の観光業界に携わる企業は、このビジネス拡大の好機を逃さないためにも、
これからのインバウンド観光市場環境をしっかり把握することが必須となります。

2019年ラグビーワールドカップ

クライアントとして知り合い、今では交友のあるキース・デービズ氏という人物がいます。彼はウェールズ、オーストラリア、日本、イングランドで30年間もの監督としての経歴を持ち、クイーンズランド・レッズを率い、2011スーパー15の優勝も果たしています。特殊な経験を持つ彼に、このスポーツが観光に与える影響について尋ねたところ、彼は、アジア圏のプロが来日する事に加え、ある程度の数の“欧米諸国”からのラグビーファンの渡航も考えられると答えました。加えて、日本が地理的に北半球および南半球の強豪の間に位置する中間地点であることから — 日本のホテルの規模感やアメニティが彼らの期待と一致するのかという懸念があるものの — 彼らが一同に介し、凌ぎを削るには最高の立地である事も言及されています。

キース氏は現在、日本でも最高峰の強さを誇る関西大学のチームで監督を務め、 The Sticker Family Japanをはじめとする、あらゆるビジネスにも関心を持っています。

2020年夏季オリンピックおよびパラリンピック

来たるオリンピックの開催は、観光業界全体に圧倒的な成長をもたらす要素であり、誰もが心待ちにしています。

東京都の発表によると、約850万人もの観光客がオリンピックを目当てに日本に訪れることが予測されています。北京オリンピックに足を運ぶ事が“叶わなかった”アジア圏のあらゆる人々が、今頃は日本への旅行を検討していることでしょう。

この東京都の発表と年間5%の成長率で算出した訪日外国人客数を使ってシミュレーションすると、2020年に約2930万人の観光客の流入があっても、決して不思議ではありません。

このような状況が御社の観光関連企業に与える影響とは?

tourist hands over his passport at check in counter

先の予測でも述べたように、この先5年間における年間の訪日外国客数は1080万〜2930万人(高い確率でそれ以上?)と予測され、これらの外国人観光客が日本企業に与える影響は計り知れません。続いては、これをより詳細にご説明します。

まず第一に、これは最高のマーケティング機会です。周辺国での良好な経済状況、円安、そして、これから開催されるいくつもの国際的イベント。この、またとない追い風をどれだけ戦力的に味方につける事ができるのか、が成功のカギを握っているのです。

果たして、これがデジタルマーケティングに影響を及ぼすのか?

答えは、“YES”です。

このような成長機会が私たちの専門分野(SEOおよびインバウンドマーケティング)においても確認できる事象であるのかどうかを検証するため、簡単なキーワード調査を実行しましたのでご覧下さい。期待通り、英語での検索において、以下のように膨大な数のインバウンド観光の関連KW検索数が集計できました。

keyword May 2013 May 2014 April 2015
“japan travel” 8100 9900 14,800
“japanese hotel” 720 880 1,300
“sightseeing japan” 210 210 260

訪日外国客における、中国・韓国のシェアは全体の約60%を占めることから、これらの国で行われる検索に対する詳細な調査は必須だと言えるでしょう。

韓国における検索エンジン業界シェアの約87%を持つNaverとGoogle、この2社 のインバウンド観光(日本の観光)に関連する検索KW数はかなりの規模となりました。

また、中国から日本への訪日客数は2013〜2014年の間に83%もの伸びを記録しており、今回の検索数リサーチにおいても、インバウンド観光に関するKW検索数は韓国と同等の規模となっていました。

上記検索結果のリサーチで得られたデータが、前述した訪日外国人数のトレンドとマッチしているのは一目瞭然です。

御社の次のステップ

進むべき道は見えています。もし貴社が日本国内において、インバウンド観光業から何かしらの影響を受ける立場であるならば、今こそ、自社ブランディングのプランニングをしっかり行い、効果的に実施する好機です。成長性は無限大です。日本の観光業界において確固たる自社のポジショニングの確立を狙う既存・新規参入企業にとってターニングポイントとなりえる瞬間です。

ここで取り組むべき重要な2つの施策は、①他言語対応化と②外国人観光客向けデザインおよびレイアウトの導入です。特に、スマホ利用者数が急速に拡大する中で、モバイル・スマホに特化したデザインは重要です。すでにこの2つの施策を実施済みであれば、サイトのABテストを行い、パフォーマンスを重視したサイト改善を行い、競合他社への優位性を確立することが重要でしょう。更に、大衆ではなく個人に焦点をあて、自社ウェブサイトへの集客と、リピーター顧客獲得を考慮し最適化された、一貫性のあるマーケティングプランの構築も必要不可欠となります。

言葉巧みに語るあなたは、一体どなた?

Humble Bunnyは、日本を拠点としたウェブデザインおよびデジタルマーケティング会社です。2月には、日本でも名高い旅行比較サイトを経営している Venture Republic Groupの多言語コーポレートサイト制作に従事し、担当チームから高い評価を受けています。私たちは、メディア型旅行事業を展開する企業のサイト企画・制作にも注力しており、既に他日本企業のホテルマーケティングアプリの開発、マーケティングサポート、ローンチを進めております

弊社のサービスのお問い合わせはこちらにございます簡易お問い合わせフォームより、ご連絡をお願い致します。お気軽にご相談くださいませ。これまでの弊社実績ならびにサービスの説明資料もご用意しております。

 

観光業界における優位性を、共に獲得しましょう。

 


Article Sources:

JNTO
MLIT
Tourism.jp
The Japan Times
XE


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